「衝撃の夏」④

苦しい。まるで内側から押し広げられているよう。
そろそろ、来る。限界の時が近付いていた。
なされるがままになり、私は浮揚感に囚われていた。
……もうダメ、耐えられない。
「ぷはぁっ!」
「わー、記録延びたよ天崎さん!」
新田が大げさと思えるほどの大きな動作で拍手、飛び付いて来る。
……まだ泳げていないのだけれど……
水に顔を付ける所から始めて、水の中で息を止められるようになる頃には陽が落ちかけていた。
笑わないで欲しい、私にとっては大きな進歩だ。昨日まではお風呂さえ怖かった。
「おめでとう、天崎さん。最初はどうなることかと思ったよ」
「前進したな、天崎! でも先は長いぜ? っと、夕飯の準備しなきゃな。行こうぜ羽場!」
「そうだね、用意しよう。新田さんと天崎さんはもう少し練習するといいよ」
そう言うと二人は荷物を置いた辺りに向かった。
忘れていたが、どうやら泊まりになるようだった……一体何泊するつもりだろう。
私がその間に泳げるようになるかどうかは疑わしい。
「……天崎さん」
日程を失念するとは不覚、無関心も程々にしなければ、と薄ら思った頃だった。
新田が話しかけてきた。
話しかけてくる事自体は珍しい事ではない。だが……何かがいつもと違うな、と思った。
「お話したいんだけど……良い?」
普段の新田からは想像できない、しおらしさ。
それを見て私が何となく思いついたのがこれだ。
――三角関係の中心である新田も、宗谷か羽場どちらかを好いている?
……私としては宗谷は有り得ないと思うのだがどうだろう。
そういった話でないにせよ、聞くだけなら構わないだろう。
私は至って軽い気持ちで、新田の話を聞くことにした。
「で、新田。話っていうのは何?」
持ちかけたくせになかなか口を開かないので、私から切り出すことにする。
新田は足元と私を見比べながら、小さくなっていた。
話すべきか話さないべきか迷っている、と言った感じだろうか。
しかし意を決したかのように、私の目を見据えると緩やかに話し始めた。
「……あたし、好きな人が居るんだ」
驚いた。まさか本当にそんな相談を持ちかけられることになろうとは。
……ここで宗谷だったら、驚きは倍になるだろう。
「ふぅん……このタイミングで持ち出すって事は、相手はきっと一緒に海に来てる人よね」
念の為に聞いてみると、新田は静かに頷いた。
ある意味想定どおりの展開に内心ニヤニヤしながら、私は質問を続ける。
この質問でさすがに、三角関係の行方が判るだろう。
「で、どっちなの? 羽場? 宗谷?」
すると新田は窮したように俯き、首を横に振ると大きく息を吸って叫んだ。
「あたし、天崎さんが好き!」
……天崎?ああ、私か。羽場か宗谷かと聞いたつもりだったが。
そして……なんだって?アタシ、アマサキサンガスキ……?
「え……ええええええ!?」
私は動揺のあまり声が裏返るほど叫んだ。衝撃の、夏だった。
--------------------------------------
展開が強引になってきた感がありますな!
あと一回辺りの文量が増えてきましたな!
でも、天崎さんを好きですって言うのはちょっとずつ出してた……
つもりだったけどそんなに目立ってないし伏線とは呼べないわw
総じて飛んでる感じが否めない衝撃の夏。これからどう進めよう?w


終わりや終わり! 終了!!

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ


コメント

  1. 長沢 より:

    まさか、まさかな……て考えてた展開。
    そのまさかが、ここには、ある――。

    この先の展開未定なのwww

  2. kujoh_ryu より:

    未定なわけないじゃーん、何言ってんのさー!
    ただちょっと……アレだよ、完膚無きまでに忘れてるだけだって!

タイトルとURLをコピーしました