『永遠娘』発売記念イベントを思い返しました

前回の記事では、発売記念イベントに行きましたという
題の通り、本当に「イベントに行くところ」までの
前置き的な部分を書きました。

トークライブの内容に触れていくのですが、
ほんの一個人のブログとはいえ一応『残る』媒体なので、
当たり障りのない部分にだけ触れていきます。
実際は裏話なども満載でした。
一番面白かった部分を自粛しつつ、
感想を書き連ねていく形となります。

登壇されたのは、次の5名です。

編集長 N
本誌の仕掛け人にして、すこし気のふれた偉い人。
茜新社には足を向けて寝られない。

小石ちかさ
永遠娘では「絹糸の腕」を掲載。闇勢。

有間乃ユウキ
永遠娘では「夏逢瀬」を掲載。光勢。

あまがえる
永遠娘では「幼婆と孫」を掲載。光勢。

Batta
永遠娘では「ゲドウの家」を掲載。闇勢。

編集長さんは本当に良い気のふれ方をされていて、
小石ちかささんの「絹糸の腕」にまつわる
エピソードがすごく人柄を表されています。

作品中にロリババアがショタっ子のおちんちんから
血を吸うシーンがあります。
当初ちかささんが「エロマンガだし射精シーンも描いとくかー」と
白いの込みでネームを送ったところ、編集長さんが
「血を吸われているんだから射精いりませんね」と返したとのこと。
……すごい。なんて欲望に忠実なんだ。

もちろん血を吸うことがえっちなのは
わかる人はとてもよくわかっているし、
そもそも精液も血液も母乳も原料は同じです。
吸血は実質射精でしょ、
むしろ射精よりえっちでしょというのはわかります。
それ自体はわかるのですが、
編集判断でそれをしてしまうのがすごいなあと思います。

……あ、編集の意向というわけではなくて
ちかささんも「ですよねー!」と言って
意気投合した、ってエピソードです。
本当に描きたいことを読み取ったのだといえます。

Girls forMのTwitter上でのアンケート結果を受け、
本当に専門誌を作り上げるまでに至らしめたのは
序章にすぎなかったのです……

作家の皆さんは、自分が好きなものを描いていった結果
ロリババアに行き着いている、というのが共通項。
ただしその過程はそれぞれ違っているようでした。

光勢・闇勢と記載があるのは
光のロリババアと闇のロリババア、
どちらを描く勢力かを表したものです。

有り体に言うと、作風です。
ラブコメか、シリアスか。
余談ですが、着られていた服の色味も綺麗に分かれていました。

大まかな傾向として、
闇勢は妖怪などの人外や獣への憧れ、
光勢は癒やされたいという願望が
各勢力間で共通しているように見えました。

光勢の方々が闇勢に萎縮してしまったのか、
ただ好きなものを描いただけだ、そんなに語ることがないと
譲ってしまう場面が多かったのは
少し残念というか、もったいないと思いました。

たとえ全く同じ内容になろうと、
繰り返し何度も語るくらいの
リビドーの迸りを感じたかったです。

光勢と闇勢とで共感する場面もあり
それぞれの勢力で意見が異なる場面もあり、
一口にロリババアと言っても、
人の数だけ理想の形があることを感じました。

言葉の定義に限らず、
白黒はっきりしたいことというのがあります。

作品のジャンルについてだけ言うと、
少なくとも作る側としては
ジャンル分けを意識する必要はなく、
むしろ定義という狭い枠に囚われてはならないと感じました。

これがロリババアという定義をして、
そこに収まることだけをしてはならない。
混沌をそのまま視認できる形にして、
得体の知れない存在感を発揮する必要がある。

ジャンルとしてのロリババアはまだ成熟しきっておらず、
これがロリババアだという明確な答えがないからこそ
かえって暗黙的に全てを内包しているといえ、
魅力の増進に一役買っているようにも思います。

あえてダーティなことを言えば、
各先生の中で描きたいものが明確にあるものの、
ジャンルとしては外面ロリ内面ババアという点だけ押さえておけば
何をしてもOKというごった煮感があります。

お好み焼きにどんな具材を入れても「お好み焼き」というか。
全体としてはまだ具材が固まりきっていない感じです。

入れる具材のレシピがこれから固まっていくのか、
固まらないまま愛されていくのか、それはまだわかりません。

しかし、まだまだワクワクできそうなジャンルだと感じるとともに、
自分にとっての理想のロリババアとはどういうものだろうと
考えるきっかけとなった、素敵なイベントでした。
またあったら是非いきたい。


終わりや終わり! 終了!!

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ


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