終わるための始まり

物語における、始点と終点。
これは、物語の進行方向に対応する呼称です。

目的に対して手段を行使するように、終点に対して始点があります。
始点に要素を複数配置して、寄り合わせながら
演繹的に終点を導き出す作り方もあると思いますが、
基本的・効率的な作法ではないと思われます。

鑑賞者は人間です。人間は死にます。
死ぬ際に生の意義を見出せれば、生は報われます。
死ぬ際に生の意義を見出せなければ、生は報われません。

つまり人間の価値は、死を契機に、意義によって計られます。
終わるからこそ始まる。死ぬからこそ生きる。
有終の美。……終わりがあるからこそ、美しいのです。

そして、死者は想起された時に蘇ります。
物語が鑑賞されるとき、物語は再び、死ぬための生を受けるのです。


記事をご覧頂き、ありがとうございました!
質問・意見・感想等ございましたら、気軽にお寄せください。

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu)
お仕事のご依頼・お問い合わせは こちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました