躍る心を胸に、本を読み進める。
静かに髪を撫でる風が心地良い。波の音は葉擦れを思わせる。
アウトドアでインドアな事をするのもなかなか良いものだ。それなのに……
「ひょっほぁー! 海だー! 見てくれ俺の肉・体!」
……あの男、相変わらず……うるさい。私の気分が台無しだ。
私は本を乱暴に閉じ、その男を手招きで呼ぶ。
「……宗谷、ちょっと」
「ん? どうした天崎ぃぶぁ!?」
効くでしょう?本の角は。ハードカバーだし。
「ふふ……あはは……おっかしー!」
今のやりとりを見ていたのだろうか、女子が笑いながら近付いてきた。
この人こそが、私の「気になること」の中心。
「天崎さん、本は大丈夫ー?」
「ごめんなさいね、宗谷がうるさくて。本はこの通り、傷一つ無いわ」
「ちょっ……新田、天崎……俺の心配は? 頭超痛いんだけどぅふっ」
五月蝿い宗谷に膝を一撃。……あ、金的。
「……あんたは唸ってるくらいが丁度良いわ」
「やぁ。……また倒れてるのかい? 宗谷」
「……倒す奴に言ってくれ……」
苦笑いしながら宗谷を見る男子。
彼は……羽場ね。宗谷と違って品性を感じる。
「あ、ごめんねー天崎さん……本読んでたよね」
新田が申し訳無さそうに言う。
……別に新田は何もしてないのだけれど。
「気にしないで。悪いのは宗谷だけだから」
「お邪魔しないように僕らは行くよ。……ほら、宗谷」
羽場が宗谷を引きずる。……膝の当たった場所がさすがにまずかったようだ。
心なしか泡を吹いてるように見えて多少可哀想だった。
「ありがとう。もうちょっとできりの良いところまで読み終わるから」
引きずる羽場、引きずられる宗谷、私に手を振りながら去る新田。
開いた本で口元を隠し、手を振り返す私。……なんだか、滑稽な図だった。
「……ふふっ」
堪えきれずに、笑ってしまう。
宗谷が新田を誘って、羽場も加わると言って……新田は皆で行く方が楽しいと了承。
……俗に言う、三角関係の構図が出来上がっている気がするのだ。
二人が新田に思いを寄せ、新田は気にする風も無く……というか気付かない。
ちなみに私は新田に呼ばれて、経緯を聞いて即決した。面白そうだったから。
そうしたら案の定、海に着くまでの会話は滑稽で仕方がなかった。
隠してるつもりで大して隠せていない、そのくせ本人には伝わっていないのだ。
「よしっ」
本を閉じて鞄にしまい、伸びをする。
三角関係を眺める第三者。なかなか面白い立ち位置になるだろうな、と思った。
----------------------------------------
とりあえず見切り発車でキャラを増やしてみる。
・天崎→主人公。本好き。何処でも読む。けど乗り物では酔うから読めない。読まなくても酔う。
・新田→三角関係の中心。ぽやーんとしてるようなしっかりしてるような快活な子。
・宗谷→アホ。うるさい。鉄建制裁を受ける役。いわゆる駆侍島。うるささは三割増し?
・羽場→ポーカーフェイスな涼しい奴。静かと言うわけでもないがうるさくもない。
キャラはまだ増える……かなぁ……?別に何人で海に来たかまだ言ってないし良いよね!(ぁ
でもあまり増やしすぎると持て余すと思うのでほどほどにしときます。
さて、新田の心を掴むのは暑い宗谷か涼しい羽場か!?
脳内で話の大筋は固まりつつありますがまだまだ色々と募集中!
今回はこれを聞いてみようかねぇ!
①宗谷か羽場か?
というか、この後の展開を予想してみてください!
大筋固まってると言ってる以上、現時点の脳内で話に絡むのはこの四人。
後から出るキャラは彩を添える程度……かな。
②感想・意見・要望・妄想など。
何かありましたらコメント欄とかメールとかで書いてみてくださいなーっ!
終わりや終わり! 終了!!
書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ
コメント
柳さんは羽場を選びそう。宗谷は結ばれる二人をみて空元気な振る舞いとか。
ん、もしくはどちらも成就しなかったり。これもこれでなかなか。
……時間がおしてるナ。一応これでノシ
ふふー、どうでしょうねぇ?
訊いておきながらなんですが何が起こるか判らないものです。
特に天とか人が絡むことに関してはねっ!政治とか恋愛とか?