Sound Horizon 9th Story Concert「Nein」西洋骨董屋根裏堂へようこそ追加公演(2015年5月23日)

はい。行ってきました。
Sound HorizonのStory Concert。

2015年5月23日 土曜日。
東京国際フォーラム・ホールAにて。
開場は16:00、開演は17:00。終演は20:00。

駆け足になります(それでもかなりの文章量になりました)が、
演目に沿って振り返ります。

演目

・Sascha 開演前アナウンス

もしかしてラジオとかで有名な、あのSaschaおじさん!?
口の悪いローランだねぇ…Saschaお兄さんとお呼びなさい。

Noël がギターケースを開けては閉めてを繰り返していたので
何をしているのかと見てみたら、カントリーマアムを食べていたそうな。

なお、2アウト。それを「MCとして最低の模範解答」との
パロディ自虐ネタで返していて、さすがだと思いました。

・檻の中の箱庭

暗闇の中に浮かび上がる便宜上R.E.V.O.と
シュレディンガールズおよび黒猫たちがめちゃくちゃかっこよかったです。

数人のネオン衣装黒猫たち、光るタイミングがそれぞれ違っていて
パラパラアニメのように動いていました……もっと見たい……

この曲のあと、黒猫たちはまさに「舞台装置」として、
それぞれの曲目で黒子のように振る舞います。

・名もなき女の詩

『笑う 貴方 と 私 と 二人の…』のところでは
スクリーンにエンディミオとルーナの幸せそうなイメージ映像が流れていました。
歌詞が『逃げ込んだ儚い幻想』なのでなんとも……

ルーナが倒れて暗転したのち、エンディミオが普通に女王陛下を褒め称えます。
ここで悲劇が起こらないから辿りつくための詩も生まれないんですよね……

パン!パン!パン!パンパン!は事前に練習していたのですが、
ローラン全員まちまちというか、けっこうCD音源と違うタイミングで
パンパンしてたので(なるほど…このあとは自由に参加しよー)と思いました。

『倒れる以前の… 私ならきっと…』のところでは
ルーナがパンパンする前に倒れていた場所がライトで照らされていました。
今そこには誰もいない、それは今の私ではない…という演出。

『<<傍で愛してくれる人の笑顔>>を浴びて散りたい……』の後に
「パンはまだ早い」とか言ってるのルーナと店主だったんですね……
歌詞あまり見ずに音源だけリピートするタイプなので気づきませんでした……

最後に赤いライティングで、めでたし、めでたし……

・食物が連なる世界

聴くたび思いますけど、この曲生々しいですよね……
特に「かわいそうじゃーんやめなよー(笑)」とか、すごくリアルです。

そして主要人物かわいいですよね……
食の細い子(仮称)もいいこぶりっこ(仮称)もかわいい。

ウザいんだけど!のところは
ステージとリストバンドのライティングが赤→桃→赤で、
ぶりっこの激情と理想とが強調されていました。
音だけでもだいぶ緩急ありましたけれど、さらに。

『星屑を集めるように 朽ちていく世界に』のところでは
ライトが目のような形になっていて、すごくタナトスに見られていました。

スクリーンに食物が連なる世界ピラミッドができたあと、
それを複製しつつ頂点を基点に回転させていって
最終的に上下反転かつ上に重ねたら
 ▽
 △ 
ああ、輪廻の砂時計! なるほど! なるほど!!って
すごいアハ体験してました。

私事ながら、普通に聞いていても冒頭のイジメから
生を肯定するに至るまでのギャップで涙腺を攻撃される曲だったのですが、
今回コンサートで映像がついてしまったので電車とかで泣きかねません。
どうしてくれるんだ。

・言えなかった言の葉

実はこの曲の物語をあまり理解できていなかったのですが、
やっぱり言えなかった言の葉は言えなかった言の葉で、
『病に倒れた母が逝く…』以後は回想ということなのですね。

母と父が死んだあと、全てを許した結果として子を宿し、
頑なまでに反対されながらも産んだ子が高熱を出した。
その子を喪失するところだったが、医者に救われた。
医者を好きになったが、好きだということは伝えられなかった。
うん、納得。

それを踏まえた上で、最後に手紙を飛ばしたあとに
かなり明るく「てへっ!」って言ってて、まさか意図的に……!?と思ったのですが
それでも結局言えないままだったのだと思うと切ないし、
まあ「てへっ♥」くらい何度でも言ってほしい……と感じました。

・憎しみを花束に代えて

かわいい。ステラさんめっちゃかわいい。端から端までかわいい。
『あの人を掠め取った雌狐』のところの地団駄かわいい。
『愛と友情の歴史』のところのステラとルナが両手つないで花道いくところかわいい。
なんか終始苦悩しながらも楽しそうですごくほっとする曲ですよね……

『アイデアが生まれたの!』のところでキュピーン!というSEが入っていて、
前に「Revoがイトケン尊敬してるー」的な情報を目にしていたことから
ロマサガのひらめきを連想していましたが、本当にスクリーンに電球が映し出されました。
……マジか! このイメージでよかったんだ!

『定価の50%を児童虐待防止団体への~』のところで、
チャリティブローチの売上≒寄付金額がスクリーンに映し出されました。
……私が物販ブースに行った頃には薔薇のチャリティブローチが
既に在庫切れになっていて買えなかったので、少し心残り。

・Noël MC

めっちゃ右往左往するNoël。
最初からFLOWER ASATOなんてなかった。

開演前アナウンスのネタを拾い、ギターケースからカントリーマアムを取り出して食べるNoël。
様々な味が出ているが、原点(バニラ味)が一番おいしい。それは音楽も同じかもしれない……
カントリーマアムはおいしい。ただし、口の中が乾く。特に歌う前には要注意だ。

プレミアムウェーブ。1階席ウェーブ。2階席ウェーブ。
2階席の奥の方、よく見えないからドローンでも飛ばすかー。

プレミアム席のローランに質問するNoël。Interview from Noël。
好きな振り(キュン)、好きなフレーズ(寄付金寄付金)、好きなフレーズ(パンパン)。

・西洋骨董◆屋根裏堂

玄関代わりの突然の階段はなんか外観と縮尺合わないような
螺旋階段的なものがいきなりあったのかなーと思ってましたが、
スクリーンに映しだされた階段が騙し絵の階段というか
ピンドラのそらの孔分室というか遊戯王の心の部屋というか
Noëlよく上ったな……って感じの複雑な階段でした。

CDで掛け合いをするときに、店主の揺らぎを表現するために
複数の音声を切り替えて使用していますが、コンサートでは
3人の店主がカウンターの奥で入れ替わっていました。
なんとなくデラックス盤でも初回盤でもない音源だったような気がします。通常盤?

遮光眼鏡型情報端末の支払に「代償として貴方の最も大事なものを一つ」頂くという
非常に重い屋根裏ジョークが。笑えない。

・涙では消せない焔

Jimangがかっこいい曲ですよね。
殺陣っぽいわりと激しいアクションがあったので、
最前列は汁を浴びてるのかなーなんて思いながら観ていました。

屋根裏堂でもそうでしたが、少女店主かわいいですよね……
双児の人形を渡すときにちょろっと出てきますけどかわいいですよね……

其処に物語は……在りますよね。
Hiverがこの時代に生まれることはなさそうですが、
産んだのが誰であれ本質は変わらない。
これも立派に、生まれてくるに至る物語。

・愛という名の咎

この曲はかなり明確にイメージできていたので
あまり大きな驚きこそないものの、演出にうなずきながら
素直に観ていた……つもりでしたが……
一つ、全ての印象を持っていかれた場面があって。

あの……最後?
いや兄妹の枠を越えてそうな雰囲気はありましたけれど??
エレフがミーシャのお腹のあたりを抱きしめるのって……そういうことですか????
はいーーーーーーーーー????????

ギリシャこわい

・忘れな月夜

お兄様が激おこする場面は映像で見ると
キレ具合が際立っていいですね……エリーザベト的には全然よくないけど……
けっこう容赦のない糾弾ですもんね。耳ふさいでましたし。

模範的な貴族の子女がうるさいうるさいってけっこう難癖つけてて
それでいいのか花嫁修業……?と思いましたが信仰が薄いならしかたない。

三人の子供と、それをけなす子女と、かばうようにするエリーザベト。
血縁こそないものの母性が十全に発揮されています。
ムッティ……ひかり……あったかいね……

最後にスクリーンに映し出されていた窓の外にメルとエリーゼが現れました。
そうですよね……エリーザベトが死なないので復讐劇にノミネートされることもなく、
暁光の唄を歌う機会はなくなり、ずっと復讐しようね状態なんですよね……

・輪∞廻

相変わらず謎に包まれてますね……
ボーナストラックも聴きましたけど謎ですね……
8th Storyの発表が待たれます。

世界を愛し世界に愛される聴覚が必要な弟、既出ならすごくNoëlっぽいのですけれど。
同音であるノエルとイヴェールが妹と兄だった曲が、かつて存在していて。
焔が廻った結果、平和な時代、豊かな国に辿り着いたけれど
そこでもHiverは生まれなかったのかなーと思うと少し寂しい。

・最果てのL

聴いてくれ、Nein!

この振り返り記事書いてて気づきましたけど、遮光眼鏡型情報端末のルビが
西洋骨董◆屋根裏堂と違いますね。ドイツ語になっている……

鋭士が「Revoから聞いたんだけど、マリィマリィとは上手くやってる?」的なことを言う。
Noël、グラサンをかち割りに行くと言い退場。そして暗転。

スクリーンに表示される文字列(意訳)。
 ついに例のあの曲(IwN)の存在がNoëlにバレた。
 アンコールが毎回あると思い込んでいるのではないかね?
 Noëlがいなければ、この先の地平には進めない。
 Noëlを呼ぶには…「なんか適当にやってみたらいいんじゃね?(笑)」
会場に鳴り響くNoëlコール。

以下、アンコール。
MCはSascha。

・ゆりかご

七番目の記憶……
この曲、曲調と歌詞のギャップが素晴らしいですよね……
Lostでは失われし詩が好きなのですが、どこかで聴く機会あるかな……

・磔刑の聖女

おそらくMärchenコンサートのものだと思われる映像がスクリーンに映し出される。
メルがいたであろう場所にスポットライトで光を差すという演出が非常に心にくい……

最後に白い光を抱くシーンがあって、
そこで黒猫がエリーザベトに白いヴェールを被せて、
エリーザベトが光の中の見えざる彼に、……遠くてよく見えなかったけれど
顔を近づけていたので、白いヴェールなので、これはきっと、誓いの口付け的な。

・イントロに合わせてみんなで歌おうコーナー。

Yieldとコスモポリタン・ナポリタンのメロディが演奏されました。

・メンバー紹介

まずバンドメンバーが紹介され、曲目の演奏順に、シンガーとアクターが登場。
ドラムのはずの淳士がバイオリンを弾くという妙技を見せたかに見えましたが、
普通に弦一徹ストリングスの方で演奏していました。

子供がエリーザベトとお兄様の手を繋がせようとしていたのだけれど、
それに気づいた二人は手を振り払って、子供が落ち込んでいた。
仲良くなる地平はあるのだろうか……

Noëlは見つからなかったものの、
愛という名の咎のメンバーとしてΕλευσευsが登場する。
以降のMCはΕλευσευs。

ステラが、ステージ中央にいるエレフとミーシャを並ばせるために
焔のママン(第五)とミーシャ(第六)の場所を入れ替えていた。

・即ち…小惑星を喰らう超紅炎

・即ち…光をも逃さぬ暗黒の超重力

私はひたすらリストバンド振ってました!!告白すると!!!
デラックス盤買ったので音源はあるのですが、ずっと本編聴いてました……
コスモポリタン・ナポリタンもそうだけれど、ライブ曲は本当にわからなかったりします。

バニオンくん大人気。

・Ελευσευs MC

Ελευσευsのみが舞台に戻ってくる。

最近、Noëlが勝手にRevo陛下の代弁をしていることに気づいた。

NoëlとHiverとがよく口喧嘩していて、よくNoël口が悪いなという話になる。
でも、Ελευσευsはあまり気にならない。
クソシスコン野郎とか言われるけど、気にならない。
なぜなら、Noëlの家族構成がかわいそうだということに気づいた。
そう、Noëlには妹がいない。
妹がいないやつはかわいそうなやつだ。
だから何を言われても、気にならない。

……話を戻して。
Noëlが「10年経っても、何も残せていないような気がする」と言っていた。
Ελευσευsは思った。すごいな……お前、1年目だろう、と。
Ελευσευsは7年目だけれど、何も残せていないとは思わない。
会場に来ている観客を見ればわかる。
Ελευσευsに伝わっているということは、陛下にも余裕で伝わっている。

20年目に来たやつが同じようなことを言うかもしれないが、
そのときはNoëlがそいつをぶん殴ってやれ。
今はΕλευσευsがNoëlくんぶん殴っとくから。
本気出すとΕλευσευsが勝つと思う。神の力が宿っているような気がするんだよね。
……と言いつつ退場。

・国歌、斉唱。

2番まで歌いました。

所感

……はい。上演時間3時間のうち、比較的明確に思い出せた部分を
5000文字くらいに凝縮してお届けしました。
以下、私が個人的になんとなーく思ったことを書き連ねていきます。

全体観。

文面にしてしまうと当然なのですが、「好きなら行った方がいい」ですね。
視覚イメージが補強されるので、その後の聴きこみにも熱が入ります。
MCもきっちり聞けます。もちろん思い入れも強くなります。

そもそも物語音楽はミュージカル風で、
DVDで見たElysionやRomanも充分にミュージカルしてたのですが、
演者が増えて本格的にミュージカル化してきたなぁと感じました。

あと連日やる幻想楽団員ほんと大変そうだなぁ……なんて思ったり。
主に体力的に。ええ。毎回あんな歌ったり踊ったりを、今回の場合、計11回。
本当にお疲れ様です……明日、もう1日頑張ってください。

ノリ方。

初めての参加で、気にしていた部分でした。

そもそもコンサートって……ノるのか……!?
部活のコンサートでも、ノるのはアンコールからだったぞ……!?
そんなことをぐるぐる考えつつ、とりあえずパンパンだけは予習しました。
国歌は1番の歌詞を募集してたときに音源で聴いてたので、大丈夫でした。

結論を言ってしまうと、あまり気にせず自由に楽しめばよさそうでした。
もちろんリストバンドをガンガン振ってる方もいますが、現実問題そこまで振れないですし。
鑑賞しているときに余力があったら、プレミアム席あたりの動きを真似ればいいと思います。
せっかく来たのだから、聴きましょう。観ましょう。

ただし一部に例外もあって。
ここで立ち上がるのはなんか違うのではないかなーと思っても、
前の方々が立ってしまうと、後ろが立たざるをえない(舞台が見えない)。
この傾向は、屋根裏堂以降が顕著でした。

立って盛り上げるべき場面だという物語解釈をされている以上それは尊重しますが、
私は基本的に腰を据えて記憶に留めたい方なので、……うん。
次は2階の最前列もしくはその後ろくらいの席だったらいいなぁ。

……語るのに文章量が必要なだけで、特別ここの思いが強いわけじゃないですよ?

今後に向けて。

1度はプレミアム席で観たりとか、全公演制覇とか、やってみたくなりましたね……

当時の金銭的な事情でMoiraのDVDを買えなかったときから
Sound Horizonは好きだけれどCDだけを追っていこうと思っていましたが、
今回のコンサートで今後も行きたい欲が出てしまいました。

そのためにはもちろん金銭的・時間的な余裕が必要となるので、
平時の活動をもっと頑張っていこうという気持ちになりました。

コンサートに限らずSound Horizonの10周年関連で
けっこうお金を使っていましたが、その消費もまた明日からの活力になる。
活力になるような作品って素敵だなぁ……私もやりたいなぁ……と強く思います。

あと、もうすこしちゃんと歌詞カード見ながら聴こうと思いました。
やっぱりまだまだ見落としている部分があります。
まだまだ楽しめる……タノシイ……!(血走った目で)


終わりや終わり! 終了!!

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ


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