『おませで御免! 新装版』を読みました

『おませで御免! 新装版』を読みました。

本書は、2008年6月に刊行した
御免なさい氏の初単行本『おませで御免!』の新装版。

表紙だけではなく、追加収録の『ポチ。』をはじめとして
一冊のちょうど半分くらいが作画修正を施されています。

『ポチ。』と『夏休みが終わったら』がとても良かったです。
ほんのりSM的というか、どちらかが完全に主導権を握っていて
あまつさえ言葉責めなんかしちゃう作品が好きですねー。

また、作画修正後の、
今の御免なさい氏の
絵のタッチがとても好きです。

『ポチ。』は、主人公のお兄さんが
殴って失神させられてそのままペット扱いされるお話。

はじめは翻弄され支配されるけれど、
互いの鼻を舐めるところから、
深く確かな信頼関係ができます。
ドSな言葉責めから甘々への落差がいいです。

『夏休みが終わったら』は、
中心人物であるすずの無職の兄かずきと
さっちゃん、あやみ、すずが親睦を深める話。

かずきは普段はちょっと頼りなくて押され気味だけど、
酒を飲むと一気に攻撃的になります。
その様子、圧倒的ダイナミクス。

前編のさっちゃんの京都っぽい関西弁キャラもかわいいし、
中編のあやみの生意気な女王様系キャラもかわいい。

けれど、後編でお酒を飲まずに
しっとりと物語を締めるのがすごくよかった……

この初単行本があって、そこからさらに描き続けた末に
『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』
生まれたんだなぁと思うと、感慨深かったです。

今と当時とのお話づくりの方向性の違いが見て取れたので、
読み比べて研究してみるのもいいと思います。
私自身も、時間を作ってもう一度読み比べたいです。


終わりや終わり! 終了!!

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ


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