「おま国」や「おま言語」と、日本の特異性。ひいては、これからの日本人について

 世界人口は60~65億人からさらに増え続け、2017年現在では、約76億人と言われています。
 それに比べて、日本人の人口は、2016年で約1.27億人。人口の比率にすれば、世界人口に対して、日本人口はおよそ1~2%程度ということになります。

 ……この数字を知ってしまうと、Steamなどにおける、いわゆる「おま国」や「おま言語」についても、私は納得してしまいます。

「おま国」は当然の帰結

 一部の偏屈な方々にとってわかりやすい例なので引き続き取り上げますが、「Steamで公開する」ということは、ゲームを「世界に向けて発信する」ことと同義です。

 英語や中国語に関しては、人口比率としてはかなり大きいので、一つの企業(ゲーム開発会社)から見た場合に、意見に対応することについての異論はさほど生じないと思います。
 英語は約17.5億人、中国語は12.0億人が使用していると言われており、対応する(意見に応える)場合、英語であれば1/4、中国語であれば1/6のユーザーに対して対応したこととほぼ同義と言えます。

 しかし、日本語については、単純な人口比で言ってしまえば1~2%程度でしかありません。
 また、余談ながら、Steamの日本語レビューやAmazon.co.jpのカスタマーレビューを見ていると、日本語ユーザーから寄せられる意見は、ゲームのコンセプトとはさほど関係のない指摘が多いように感じます。私が日本人だからこそ、そういった意見が目につくだけかもしれませんが……

日本が嫌いなわけではない。ただ、リソースが限られているだけなのだ

 開発・発信する側にも「対応できる限度」、いわゆる工数があります。全ての客に応えたくとも、現実においては、対応できる人員は限られています。
 たとえ日本のゲーム企業が日本向けに日本語で作ったゲームであろうとそれは変わりません。おそらく、海外向けに発行する際にローカライズ対応としてスクリプトの修正等を行われていると思うのですが、修正が意図通りに行われていることをテストするだけでなく、修正による影響が生じていなかったこともテストする必要があります。
 ローカライズに関わる作業がどれだけあって、どれだけ洗練されていて、どれだけの費用がかかるのか、いずれも具体的にはわかりませんが、「費用が発生するであろう」ということは想像ができます。

ユーザーが英語を扱えれば問題ないはず

 そういった開発側の事情もある程度は想像ができるので、私は「おま国」や「おま言語」といったローカライズの問題に、目くじらを立てることはありません。むしろ、それで少しでも利益が出るのであれば、積極的にやってもらっていいとさえ思います。……というかそもそも、日本語に対応していなくとも、私は遊びたいものは、買うし、遊びます。
 私も英語を上手く扱えるわけではない、それどころか日本語も非常に難しいとは感じます。しかし、人間同士のコミュニケーションと同様に、大切なのは言語を扱うスキルではなく、わかり合おうとする気持ちだと思うので、英語のタイトルでも食わず嫌いをせずに遊んでみてはどうだろう、と考えています。

 ローカライズの問題に限らず、日本に住む日本人は、意識が日本国内のみへと向きすぎているようにも感じます。それが「ガラパゴス化」と呼ばれるような独自性を育んでいるのだろうと思いますが、せっかく育まれた独自性が、外へと発信されないのは、なんだかもったいないようにも思います。
 日本語だけではなく他国の言葉も使用し、国や言語に囚われることなく交流していきたいと、強く思います。少なくとも、英語をある程度読むことができれば、得られる情報やコンテンツの量は、格段に増えるのですから。

※2017/12/18、記事の内容を大幅に修正いたしました。
 過去に日本ファルコムさんがTwitterで「(Steamで日本語版を出さないのは)単純に売れないから」とツイートされていて、それに基づいた認識から常日頃の鬱憤へとシフトするような内容になってしまっていたので、タイトルに沿うように修正しています。
 なお、コメントで教えていただいたのですが、実際の「おま国」はパブリッシング契約によって生じていることが多いようです。記事の修正は、私の文意が「ユーザーが英語を扱えれば問題ないはずだよね」に集約されると感じたので、ひとまず初稿当時の認識に沿って行いました。


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書いた人: 久世うりう (kuzeuriu)
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【千年戦争アイギス】序盤の王子ランク上げは田園へ

 こんばんは。神姫PROJECTのランクが当初予定の倍である30に到達した久世うりうです。これで次のコラボも安心だね!!
 戦闘力は16000くらいまで上がりましたが、降臨戦Expertは20000くらいはないと厳しそうですねー。APが足りーぬ。

 先日、主に王子向けに神姫PROJECTの感想記事を書きましたが、逆にアンタ向けに、アイギスのことを書いてみようという記事です。
 ……ていうかプレイヤーを指す呼称にアンタ(ANT)を使われるんですね、神姫ユーザー……w

王子ランク15まで

ストーリーミッションを地道に回す

 アイギス側の王子ランクについては、ストーリーミッション半額キャンペーンが開催されているので、てきとーにストーリーミッションを回せばすぐに到達すると思います。
 半チュートリアルの「王都脱出」「神殿の森」「女神の神殿」を終え、第二章の「田園の門」を☆3クリアしたら、あとはカリスマがある限り「田園の門」を委任出撃。
 神聖結晶は、基本的にはユニット所持数の拡張に使うのが良いかと思います。低ランクでカリスマやスタミナ石を割ると、グラブルや神姫PROJECT以上に損失が大きいです。
 AP回復アイテム的なものもないので、素直に待ちましょう。あるいはじゃぶじゃぶして割ってください。

 また、スタミナは戦術指南クエストやチャレンジクエストで消化します……が、イベントや曜日ミッションに参加するようになると、そちらが主な使途になります。

シルバー以上の処分は慎重に

 ゲームを進行する上での注意点としては、シルバー以上のレアリティのユニットは安直に処分しないこと。たとえ男性ユニットでも、使い方があまりわからなかったとしても。
 シルバー未満であるアイアンとブロンズでさえ、ストーリーミッション序盤の山場である「王城奪還」を工夫次第で攻略できる程度のポテンシャルがあります。
 編成における自由度の高さがアイギスの魅力だと思うので、攻略にせよ趣味にせよ、ユニットをじっくり見ていただけたらいいなぁと思います。

特に遠距離ユニットを鍛えていく

 攻略に関して言えば、アーチャーを複数育てて制圧力を高めておくと楽に進められるはず。
 ソーマちゃんやバシラちゃんはもちろんのこと、アルス氏やウィルフレッドくん……どころか、一般兵【弓】なんていう無名キャラでさえ、数を置くと化けます。
 魔法の力は侮れんのだぞ、ということでウィッチとメイジも、敵側の人海戦術や強敵への対策に有用。このゲームの魔法は基本的に強いです。
 あとはヘビーアーマーのレアンさんや山賊の方々といった、耐久力のある近接ユニット。特に山賊頭のモーティマさんは金策にも使えるので、将来的にも腐ることの少ないユニットかなぁと思います。

直近のイベントについて

緊急ミッション『大怪盗とピラミッドの秘宝』

 開催中のイベントについては、緊急ミッションで条件を満たすとメンテ後に配布されるサバルは、ユニット以外のドロップ確率3%アップというクラス特性を持っているので、できれば確保したいところ。
 ドロップ率が上がるとともに敵も少し強くなるのですが、今回のようにアイテムを集めるイベントが開催されたときや、水曜・日曜に魔水晶と呼ばれるアイテムを集める際に頼りになります。
 イベントアイテムを10個獲得すれば仲間にはなるので、最初の「砂漠を駆ける黒猫」を4~6回ほどクリアすれば貯まるかな。貯まるよね。

復刻ミッション『亡国の将』

 復刻ミッションである『亡国の将』については、好きなキャラクターがいたら獲得すればよいかなーと。
 開始して早々に刻水晶を集めるのはわりとしんどいですし、性能だけを言えば、必須というほどの強さではないかなぁと思います。
 恒常的に獲得できる他のアーチャーや前衛戦術家でも充分に働いてくれる、というか。(魔水晶交換やデイリー復刻で入手できます)
 お迎えする場合は、ミッションは今日まで、交換は月曜までなので注意です。

復刻ミッション『死者の王の娘』

 月曜からは復刻ミッションが切り替わり、『死者の王の娘』が開催されます。
 メメントはネクロマンサーという珍しいクラス。トークンで人海戦術するのはとても楽しいですが、将来的に復刻するであろうイベントにて、メトゥスというネクロマンサーが仲間になります。要検討。

 ちなみに私はサバル、シャオ、シュウカ、メメントいずれも獲得のみかなーと考えていますが、メメントちゃんについてはコスト下限にしようかどうか悩んでいます。かわいい。でもたぶん使い所に悩む。でもかわいい。
 とりあえずは月曜のデイリー復刻でルチアちゃんを強化するんだ……とか言いながらきっと最終的にはメメントちゃんの下限を目指していると思う。

その他雑感

「黒チケ」

 他には……ブラック交換チケット、通称黒チケとかですかね?
 誰が何と言おうが自分の股間を信じるのが一番いいと思います。股間はウソをつかない。生物は股間に逆らえない。
 性能で言うならイリスがオススメです。ヒーラーが重要なゲームですし、序盤から高難度ミッションまで長く活躍するはず。うちでは選んだときからずっと活躍してます。

気になる台所事情

 どうでもいいといえばどうでもいいのですが、神聖結晶は30個で3000円、魔法石は1500個で1500円と、リアルマネー換算するとレート的に釣り合っていないのが少し気になります。
 アイギスでは直近に帝国プレミアム召喚という限定ユニットオンリーのガチャがあったので、それが回ったぶん、少し還元されてるのかな。

マイペースに遊べるのがいいですよ

 アイギスは、シルバー以下の編成でも概ねクリアできることもあって、いわゆる「環境」をあまり意識せず、気ままにプレイすることができます。
 欲を言えば、アイテムドロップなどがない代わりに各ミッションを低コストで遊べるシステムがあったりすると言うことなしかなぁと。城プロでは実装されていると聞きましたよ……!

 できれば王城奪還、オアシス到達くらいまでじっくり進めていただきたいなーというゲームでございます。


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書いた人: 久世うりう (kuzeuriu)
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【神姫PROJECT R】Rank 15までの感想

 千年戦争アイギスと神姫PROJECTのコラボが発表されましたね。配布は11月以降であるものの、合計30個の神聖結晶は非常においしい。
 というわけで、軽く調べて得られた情報と、新規スタート~Rank 15までプレイしてみての感想を共有しておこうと思います。同様に新規スタートした王子向けに。

~Rank 15まで

起動する前に

  • スマホアプリではなく、PCブラウザでのプレイを推奨。
  • ハードウェアアクセラレーションの設定を確認。アイギスは無効推奨、神プロは有効推奨らしい。ただし環境依存であり、私の環境(Win 10 64bit グラボなし)ではどちらも無効の方が快適。

下準備

 チュートリアルを黙々となぞり、自由に操作できるようになったら、設定を変更しておく。マイページ画面左下の三本線のアイコンから開けるメニューで、「設定」ボタンを押すことで設定画面を開ける。最後に「設定を反映する」ボタンを押すのを忘れずに。

  • 画質:通常版
  • シーンスキップ:ON
  • バトルスピード:高速
  • 召喚攻撃演出:OFF

 もう一つオススメの設定として、ノーマル武器の自動売却設定があります。こちらは「装備」→「ウェポン」タブにてAUTO設定をクリック。
 機能ONにし、レアリティ通常にチェックを入れ、「設定を反映する」。周回前に設定しておくと、所持数からあふれるのを防止できます。
 
 また、配布される魔宝石3000個や、パネルミッション報酬等でチケットを得られるので、とりあえずガチャ回しておくと良いと思います。

さっそくRank上げ。

 肝心のランク上げですが、方法は簡単。メインクエストを順々にクリアしていくだけ。王道ですね。第9章をクリアするあたりでRank 15に到達します。
 Exp/APの効率としては第7章エピソード4が良いようですが、第4章エピソード3もそれなりに効率が良いので、そこを周回してもいいかも。

 編成は火属性のおまかせ編成、サポート幻獣は闇属性のタブからディアボロスを決め打ちで選択して、攻撃のみのオートで進行させれば、あまり手間もかからないのではないかなぁと。

 ログインボーナスか何かでAP回復アイテムが10個くらいもらえたので、それを活用して強引にランクアップするのもアリだと思います。
 また、ショップでエリクサーを買い込んでSPクエストの「修練の洞窟」を強引にクリアするとかもアリ……なのかな。こっちは試してないです。

戦力向上を意識するならば……

 キャンペーン後も続ける場合は、第2章エピソード3を周回するのがよいでしょうか。

 低確率ながら、R幻獣の中では比較的高ステータスかつ属性攻撃力UPを持つヒュドラ(火)、ケットシー(光)、ウェアウルフ(闇)がドロップします。
 限界突破してレベルを上げておくと、戦力の向上に繋げやすいのではないかなぁと。イベント参加にも戦力が必要でしょうしね。

 なお、他属性で同様の位置にあたる幻獣は、グリフォン(風 / 風渦巻く遺跡)、ベビードラゴン(雷 /雷光纏う遺跡)、シーサーペント(水 / 氷塊に凍る遺跡)。

プレイしてみての感想。

ゲームとしては、ちょっと……

 エロがあるもののレスポンスが非常にもたつくグラブル、みたいな感じですね。エロブルと呼ばれていることに納得しました。

 特に戦闘と育成のシステムがまるっとグラブルで、非常に手間のかかる育成や、武器や召喚のステータス確認の煩雑さまでトレースしなくてもいいのになぁ……と感じました。
 神プロはグラブルと違いDMMスタートのPCブラウザ向けなので、もう少し960×640という表示領域の広さを活用しても良いんじゃないかなぁと。

 しかも、画面遷移が非常に重い。描画系かなこれ。画像データの取り回しや、サーバーからの取得方式に難がありそうな雰囲気です。
 アニメーションのある戦闘やアダルトシーンではなく、サポート幻獣選択画面等が重いんですよね。
 FLOWER KNIGHT GIRLみたくクライアントサイドに一括ダウンロードしておけるようにしたら軽減できるのではないかなぁと感じました。

 ゲームとしての面だけ見るのなら、私だったら普通にグラブルをやるなぁ、というのが素直な感想です。
 テキストが主人公抜きの会話だけで進行するのもなんだか苦手だし……もうすこし情景とか描写してもよいのでは……?

好きなキャラクターはいます

 でも好きなキャラクターはいて、ディアボロスやメフィストフェレスはとっても好きです。やっぱりロリババァは最高だぜ!! 揃ってドヤ顔してるのもポイント高い。
 あとはランスロットやバルカンちゃんも好き。うちに来た神姫がだいぶ火属性に偏っているのですが、仕様ですか……?

 Rank 15に到達したものの、グラブルでの経験が思い出されて「……再コラボとかあるのでは……?」という懸念が払拭できないので、とりあえずキャンペーン期間中はほどほどにランク&戦力上げに勤しもうと思います。

 現状では好きなグラブルも我慢しているので、キャンペーン後の継続はないかなぁ……せめてもっと軽かったらなぁ……


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「プロット」の意味について、説明を試みる。

Wikipediaの「プロット」の記事が非常に読みづらかったので、ノートに書き込みしてきました。

以下、「プロット」の記事周りの問題点と、作法なんかも少し絡めつつ私なりの「プロット」の説明をしようかなーと思います。

Wikipediaの記事に興味がない人は、じゃあプロットって何なのまで読み飛ばしてください。

現行記事の問題点

ざっくり言うと、記事が乱れています(ざっくりすぎる)。

Wikipediaは正確な情報源ではないとはいえ、一次的な情報源として目にする人が多いサイトです。その記事の乱れは、不特定多数の人間に対し、認識の乱れを生じさせることに繋がります。

ひいては、物語制作に携わろうと考えた初学者の方が、速攻で挫折してしまうことにも繋がりかねません。大問題です。

Q. 何が乱れているのか?

では、何が乱れていて、なぜ読みづらいかって話です。

「プロット」の記事には、冒頭に「プロットとはストーリーの要約である」と表記されています。その後、「ストーリーの設計図として用いられる」とあります。ふむ、まだわかる。

ではストーリーとは何ぞやと、「ストーリー」という語句についての説明を見ると、「出来事を起こる時間の順序どおり並べた文章」とあります。

出来事とは、発生する事象や事実。つまり、作品における不可逆な事実の連続、いわゆる時系列こそが「ストーリー」である、と読み取れます。

「ストーリー」からリンクされている記事に至っては、「物語世界の中で起きている出来事が起こった時間に沿って並べられたものがストーリーである」とまで書かれていますしね。

……しかし、推理小説などに見られるように、物語は語る順番(Narrative)と時系列(Story)とが必ずしも一致するとは限りません。
そして、プロットを語るとき、どちらかというと語る順番の方を意識して、作成したりプレゼンしたりするのではないでしょうか。

そうなると……実際の用い方と、Wikipediaでの説明は異なるのではないでしょうか?
「ストーリー」を要約したものと、「プロット」とは、本当にイコールになるのでしょうか……?
ほら、不安になってきたんじゃないですか!?

A. 時系列的なニュアンスが不要。

というわけで、「ストーリー」という語句が多義的に用いられ、曖昧になってしまっているのが問題かなあと感じます。

たとえば英語であればStoryとNarrativeというように区別されるべきものが、全て「ストーリー」と表現されています。確かに、どっちも直訳すると物語にはなるんだけれども。

現行記事はたぶん英語版におけるPlot (narrative)を参考に編集されたものと思われますが、そちらには「プロットは、”物語におけるキャラクターの将来の行動を計画すること” を指す動詞だよ」というように表記されています。

英語版記事において、「プロット」の中には作品内での時系列という意味合いは含まれていないのです。

キャラクターの行動を描いたものが作品になるわけで、どちらかと言えば、ストーリーではなくナラティブを要約したものこそがプロットである、と表現した方が、実態に近いのではないでしょうか。英語版の記事タイトルもNarrativeだし。

プロットがいわゆる設計工程である以上、実際の執筆に堪える設計作業を行う必要があります。シナリオの構成を無視して、シナリオの設計をしたとは言えません。

時系列をストーリーと呼ぶのであれば、それを要約したものは、年表と呼ばれる設定です。

読者が目の当たりにする順序(Narrative)と物語内の時系列(Story)がどちらも「ストーリー」と表現されていることで、記事に混乱が生じています。

おそらく海外でも一般的・慣用的に「物語」に相当する語彙は「Story」の方で、より本質的・学術的な使い分けを意識する際に「Narrative」などを用いるのでしょうけれども。いずれにせよ、その「使い分けを意識する」方の記事構成でありながら区別せずに書くのは、確実に混乱を招きます。

でも、編集する気はない!!

ただ、ノートへの書き込みはしたものの、あまり熱く議論するつもりはなかったりします。私好みに更新してよいのなら更新しますけれども。

物語を語る上でのNarrativeの用法に近い日本語は「構想」だと思うので、冒頭の要旨を『プロットとは、物語の構想を簡潔に記したもの』とでも修正した方がいいんじゃないかなーと思うのですが、まあ実際10年以上放置されてるし、私は困らないのでいいかなって……

あと個人的には、構成手法にまで広範に触れているせいで記事が冗長に感じるのでバッサリとカットして別記事として立てたほうがいいんじゃないかと思うのですが、まあ私は困らないので以下同文。

じゃあプロットって何なの

これで終わると、ここまで読んでくださった方に対してあまりにも不親切なので、私が認識している通りの「プロット」について、簡単に説明しておきます。編集する気はないが、説明する気はある。

位置付けを確認しよう!

映画やゲームのシナリオでも小説でも漫画でも何でもいいのですが、そういった媒体で表現するための「物語を考えよう」というときに、プロットを作成します。

(あ、以後は最終成果物となる媒体に関わらず、一律で「シナリオ」と表現しますね。脚本でも小説でも漫画でも、ぜんぶシナリオ。)

で、制作フローとしては、ざっくりと書くとネタ出し→プロット→シナリオです。作成したプロットに脚色をしたものがシナリオになります。

プロットに含まれるべきものは何か

……で、日本で言う「プロット」は、英語圏で言う「トリートメント」にあたります。

こわいですねー。特異点ですねー。プロット出せって言われたら警戒が必要です。

トリートメントは、シナリオに含まれる全ての場面をそれぞれ要約してまとめた文書です。シナリオの本執筆に入る前のプレゼン資料だと思ってください。

日本においてはプロットもストーリーもトリートメントもまとめて「プロット」と呼ばれがちですけれども、今回は区別して捉えようという記事なので、分解して説明していきますよ。

日本の「プロット」の中身

で、日本における「プロット」を分解すると、Plot、Story、Treatmentの3工程に分かれるわけですが。

上の方でさんざんStoryガーNarrativeガーってやった後に「ストーリー」って出てくると混乱するはずなので、言い換えを行わずにそれぞれ説明していきますね。

  1. Plot=シナリオにおける要点の整理
  2. Plotでは、シナリオにおける必要最小限の事象だけを記述します。

    いわゆるターニングポイントをまとめる作業です。Plotは、物語の根幹を成す事象だけで構成されています。

    ゲームのシナリオだったら、シナリオの分岐に関わる選択肢などが、ターニングポイントとしてイメージしやすい例でしょうか。

    グラフとして描かれた線が実際にはデータの連続であるように、物語という一連の流れを線に喩えるのなら、Plotとは語義通りに点であり、その流れを決定付ける運命的な事象なのです。

  3. Story=要点に対する補間を行い、場面とする
  4. Storyでは、Plotにおいて列挙した要点を、場面として構築していきます。

    Plotだけで大まかな線の形は決定していますが、まだ線ではありません。

    事象と事象との間にあるべき、別の補足的な事象であったり、心理・背景について描写するための場面を設け、なだらかな線に、ひいては面にする必要があります。

    たとえば、人物や舞台、道具など、受け手の理解が必要な情報については、それを説明する場面が必要となります。

  5. Treatment=各場面に対して補足を行う
  6. Treatmentでは、Storyにおいて構築した場面について、大まかな説明を加えていきます。

    数行程度のいわゆる概略が、場面ごとに記されている形となります。

    ここで作られる文書が、企画において掲げるコンセプトやテーマをどのようにTreatmentするかという一つの解答になるわけですね。

    他の人(多くは協業者やスポンサー)にプレゼン資料的に見せることになるので、必要に応じて設定表なり年表なりの資料を添付しましょう。

本当にプロットが先なの?

とはいえ、実際は綺麗にキッチリ工程分けすることは難しいかなぁ、とは思います。

PlotやってるときにStoryやTreatmentにおいて触れるべき詳細な内容が浮かぶこともあるだろうし、そもそもネタ出しの時点で浮かぶものが、書きたい場面や台詞だったりします。

だから、別に誰によってどう定義されていようが、自身の作業にはあまり関係がありません。実際、私も、自主制作の場合には、省略できる限りを省略し、大雑把に進めていきます。

一人で小説を書くのなら自分が小説を書けるだけの準備さえできていればよいですし、プロットやトリートメントの提出が必要なら、そういった要求通りの文書を仕上げられればよいわけです。

ただ、やはり大まかな流れとして認識しておくと、工程に沿うか否かに関わらず、「自分が今している作業が何なのか」というのが明確になり、捗るのは確かです。

以下、余談。

おまけ1: トリートメントとシノプシスとの違いについて

Wikipediaの原稿記事には「トリートメントとシノプシスに大きな違いはない」とありますが、違います。

どちらもある意味では「ストーリーの要約」と表すことができ、非常に似ているように感じますが、作成タイミング的にもトリートメントは「このようにシナリオを作っていきますよ」というシナリオ作成方針の要約、あるいは試作であり、シノプシスは「こんなストーリーです」というストーリーそのものの要約です。

トリートメントはシナリオ作成前の叩き台として、幾分か詳細に記載され、場合によっては制作関係者へのプレゼン的な要素も付記します。シノプシスは、ストーリーを簡潔に伝えるべく、短く要約します。

粒度としてはトリートメントの方が大きく、トリートメントの中にシノプシスが含まれることもあります。トリートメントを企画書のようなものだと捉えればイメージしやすいでしょうか。

で、このトリートメントが日本ではプロットと呼ばれる、と。これで「文脈で察しろ」とか言われるんだからこわい国ですよね。

おまけ2: すべてはシナリオ

完全に余談なのですが、この記事の途中で、すべての最終成果物を「とりあえずシナリオ」と乱暴にまとめました。

最終的には違う媒体になるとしても、構想段階までは共通している……つまり、あなたも!わたしも!みんなシナリオを書いているんだ!!!という私の認識に基づいています。

舞台も映画も小説も漫画も、全ての物語には根底に脚本が存在しており、最終成果物が違うだけなのです。そう考えると中二病の心が疼いてきませんか?

だから作品を楽しんだあとは、悔しそうにしながら「これも貴様の筋書き通りというわけか……」とかテンション高めにつぶやくといいと思います。

はっ……しまった……!?

ていうか私、新作のプロット書こうとしてて、「プロット」に関する認識を更新しようと調べ始めた結果、この記事を書くに至ったんですよね。

つまり、プロット作業が進んでないんですよね。

それも今回の説明で言う、海外におけるプロットの方。Plot, Story, Treatmentで説明したうちのPlot。
ネタ出し→プロット→ストーリー→トリートメント / シノプシス→シナリオの流れで言うと、2番目にあるやつ。

……くそっ……これも貴様の筋書き通りというわけか……!!

私は、概ねEvernoteで作業します。

  1. ネタ出し
  2. 思いついたことを片っ端からEvernoteに書き連ねていく。そのうちストーリー的なものがおぼろげに見えてくる。

  3. プロット
  4. 引き続きEvernoteで作業。新しいノートを作り、コピペしたり整えたりしながら、見えてきたストーリー的なものを整理していく。入れたい場面なり表現なりはネタ出し用のノートに突っ込んで、プロットの方はとにかく最小限になるよう削る。

  5. ストーリー
  6. これまたEvernoteで作業。プロットのノートをコピーして、テーマやキャラクターを表現するにあたって必要な場面とか足したりする。主に足す。

  7. トリートメント / シノプシス
  8. やはりEvernoteで作業。プロット作成と併せて暫定シノプシス的なものを作成していて、ストーリーを作った時点で更新したりしている。
    トリートメント的なものは、外部公開用には作っていないけれど、自分が作る場合においてもキャッチフレーズ的なものがあると方針がブレなくて良いので、こっそり用意したりしている。

  9. シナリオ
  10. シナリオや小説などの文章で表現する媒体だったら、秀丸エディタを使うことが多いです。稀にサクラエディタも使用。
    書くと決めたストーリーを、シーン単位で情感たっぷりに書いていく。情感たっぷりに。

特殊なケースとして、前回コミティアで小説本向けに書いた『乙女の悩みと時季の花』のように「ノンプロットで」と言った場合は、上記のほとんどを秀丸エディタ上で、コピペを駆使しながら構成および執筆していきます。
掌編といえども破綻するときは破綻するので、テーマや人物・舞台の設定において、破綻しないような設計を一応は心がけつつ、全編をアドリブで書きます。

プロット……書かなきゃ!!


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