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若干投げやりな気もする銭ゲバ(8)

誰がこの物語を止めるんだ!と思ったら止める必要が無かったのかーなぁんだアハハ……
……マジで?
そんなわけで掻い摘むよ!今回はまとめる気あまりない!←
止める候補と思っていた茜は自殺してしまいました。茜ーっ!
荻野刑事は手術で脱落。三國茜死亡にも動かず。わぁーお。
そして残りの候補であった緑さんは案の定と言うべきか特に何もしない。
もう一つの伊豆屋は兄の借金のため体売るとか脅すとかに走る。ダメー!
切羽詰まったらそうなるだろうけどストーリー的にダメなのですっ……!最後の希望だったのに!
一方で荻野さんから荻野弟さんについての真実を聞く風太郎。
あれは切ないよね……今更戻れない、そんなときに「引き取るつもりだった」。
まあ見落としてなければ今回の第八話で話が殆ど収束してる……のかな?
まとめるとすれば結局誰も止められなかったけど間接的に茜や緑や荻野や風太郎自身が止めた。
罪に問われるエンドにはならずに自ら死を選んだ。
もう「これから何が起こる?」では無いことは確かと思われるので、その辺の心情描写だとかに注目ですね。
一番心配なのは風太郎吹っ飛ぶ直前で切って最終回の尺は足りるのかなぁということ。
個人的にはハルちゃんの「この家もう駄目ズラ」が今回一番のヒットだったかなw
さあ、次はもう最終回です。今までの流れは堪能しましたか?吹っ飛ぶに至るまでの流れは。
「風太郎はなぜ死を選んだか」。「残る者は何を思うか」。
幸せとは何か、人間とは何か、善とは悪とは愛とは憎とは心とは。
この物語の登場人物達は果たしてどのような答えを示すのだろうか。
3月14日土曜日。いよいよ最終回、銭ゲバ。さあみんな、原作も読むといいよ!
○そして嘘最終回w 
読むのやめといた方が良いですよ!w
自分へと迫ってくる火を見ながら、風太郎は夢想をしていた。
それはIFの世界。誰もが幸せで、誰もが笑っている、完全な世界。
そこでは風太郎は誰も殺していない。だから誰も死んでいない。
普通に働き、普通に三國家と交わりを持ち、普通に結婚をして。
三國父にも気に入られ、煮付け定食を食べながら酒を交わし、伊豆屋の面々も含め笑っている。
たかが夢想。されど幾度となく必死に思い描いた、儚い夢想。
火はすぐ間近に来ていた。瞬間、風太郎は穏やかな笑みを浮かべた。
小屋を巻き込み立ち上がる爆風。緑はそれを哀れむように見ていた。
後日、三國家にも警察の捜査が入る。それをただ虚ろに眺める緑。
ほどなくして、風太郎の自室から遺書が見つかった。それを渡され、読む緑。
読み終える頃には、緑の頬は濡れていた。何と純粋で盲目なのか。
それ故に道を誤り銭ゲバと化し、果てには思い出とともに散ったのか。
家族を奪われた上で憎む相手すら失い、緑はただ泣くしかなかった。
その翌日、春子が屋敷を出る旨を緑に伝えるが、緑は座ったまま反応しない。春子は一礼し去っていく。
時と場所は変わり、病室。妻の手術を終えた荻野の元に電話が入る。
「蒲郡……」
風太郎の死を告げるそれに複雑な表情を浮かべて、荻野は拳を握り締めた。
一方その頃、健蔵は三國家を訪れていた。
「あらー返事がない。ハルちゃん居なくなっちゃった? 今緑さん一人? おやおやおや……入っちゃいますよー」
部屋に入ると、緑は座ったままだった。
「あらー緑さん。ちゃんとご飯食べてます? ダイエットはほどほどにしないと危ないですよ? ふっふっふ」
「………」
「ところで風太郎、もしかして死んじゃいました?」
「………」
「……あちゃー、親より先に死ぬなって言ったんですがねぇ……へっへっへ」
「………」
「語り継がれるような死に方、先を越されちゃいましたかね? 愉快ですねぇあっはっは……はー………………馬鹿野郎」
俯く健蔵、虚ろな緑。部屋は静寂と言いようのない虚脱感に包まれていた。
その頃伊豆屋では借金の取り立てが苛烈さを増していた。
窮状極まりない面々の所へと警察がやって来て、言う。
蒲郡風太郎の遺書の中に、遺産の一部を分配して欲しいという旨が書いてあったと。
有り余った金の一部くらいくれてやるという内容が。脱力する面々。
「兄さんが……死んだ?」
屋敷では健蔵も緑の斜向かいに座っていた。何かを考えるように、恐らくは何も考えず。
戸を叩く音が聞こえる。健蔵はゆっくりと重い腰を上げた。
「はいはい、ここには風太郎お坊ちゃんも誰も居ませんよ、っと」
戸を開けると、そこに居たのは伊豆屋の面々だった。
「蒲郡さんが死んだって……本当ですか」
「ええ、逝っちゃいましたねぇ……ま、私も蒲郡さんなんですけど! ふっふっふ」
「……お父様ですか? ご冥福をお祈り致します」
「いえいえ、どうって事はないですがねぇ。上がります? なぁんにもありませんが」
部屋に戻る健蔵。座ったままの緑。口を開きかねている伊豆屋の面々。沈黙が場を支配していた。
「……風太郎ね、自分だけが正しいとか考えてたみたいなんですよ。バッカですねぇ」
それに応える者は居ない。
「親より先に死んどいて何が正しいかって話ですよ。はっはっは……」
残されたのは多くの遺産でも復讐の達成感でも何でもない、虚脱感だった。
時は経ち、幾分立ち直った緑がふらりと街を歩く。この先生きる意味といったものを考えているのだろうか。
何も考えて居ないはずなのに自然と足が向いた先はあの日爆炎の上がった砂浜だった。
跡形もなく吹き飛んだ小屋の面影と呼べるものは強いるなら板の破片のみだった。
ぼうっと眺める緑の耳に子供の笑い声が聞こえる。砂浜の、自分から見て奥からだ。
何の気なしにその方向を見た緑は目を見開いた。
そこにいたのは二人の子供。左目の歪んだ男の子と、右目に痣のある女の子。
手を取り合い、ひたすら波打ち際を走り、ただ無邪気に笑っていた。
ああ……幸せなんだね。これで良かったのかな。ようやく報われたのかな……
人知れず涙を流す緑。長い年を経た後の、感情の発露だった。
屋敷に戻り、緑は考える。お金の正しい使い道。人としての正しい在り方。
自分が出来ることは何か? 今から出来ることはもしかしたらあまりにも少ないかもしれない。
けれど悲劇を繰り返さないように、青年に憑いた悪魔を再び生まないように出来ることはないのか。
緑は自分の立場を全うするべく、涙を流しながら、考えるのだった……


終わりや終わり! 終了!!

書いた人: 久世うりう (kuzeuriu) お問い合わせ


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